オステオパシーとは整体の一種であり直接骨に働きかける整骨などとは異なり、身体の筋肉や内臓を包む筋膜を正しい状態に導く治療法です。
フランスではオステオパシーの資格は5年間に及ぶ理論学習、実地・医療訓練のカリキュラムを経た後に、修士号として得ることができます。
オステオパシーは薬を使わず身体に直接手で触れて行う治療法です。全身を総体的に整えて痛みを取ることに着目し、外部から身体の内部に働きかけます。
オステオパシーの健康への考え方は、身体のすべての部分が連携し働きかけあっていることを基にしています。 オステオパシーは身体のすべての可動部分の相互バランスに重きを置いている点で、他の整体やカイロプラクティックなどのパラメディカル療法とは異なります。
身体がその動きを凝りや痛み、炎症を引き起こすことによって制限されているとき、それを補うため身体の他の部分が患部を自然に調整しようとします。そのため身体の痛みの原因は複数あり患部とは違うところで現れます。治療は問題と思われる患部だけでなくその他の部分にも有効です。
オステオパシーの意義は、筋膜運動を回復し最終的には痛みを最小限に抑えストレスを減らすことによって生き物としての自然治癒力を促進することです。
症状が事故の後に上がったものでも、年月を経た慢性的なものでも、もしくは術後に現れたものでも、治療は常になるべく少ない施術数で安定した結果を出すことが目的となります。
予防の観点からみても、オステオパース(施術士)は日頃からの身体のひずみやストレスへの対応力・反応力を向上させ生物としての全身のバランスの維持に努めます。
一方でオステオパシーの技術は解剖学、生理学、人間の生体力学の詳細な知識に基づいて行われます。オステオパースは治療における感覚スキルをより鋭敏にするために、その正確な身体の知識を拡大させながら治療を行います。
専門分野について
オステオパシーは原因がはっきりしているかどうかに関わらず、慢性・急性を問わず痛みを回復させます。
通常オステオパシー治療には三つの方法があります。
- 筋骨格系(関節、筋肉や靱帯)の強化、柔軟性・可動域の増加
- 内臓のリラクゼーションと活性化。内臓から骨までを繋ぐ筋膜のストレッチ
- 頭蓋仙骨の軸のバランスを整える為の、頭蓋仙骨軸のストレッチ・可動域の増加・緊張の緩和(クロニオセイクラル・セラピー)
不調の性質は筋肉、骨、関節だけではなく体内器官や頭蓋骨などの全身を伴うものもあります。
これらの治療法は、瘢痕組織形成や組織癒着などでも有効なため、特に手術後ケアに適しています。